不眠症は睡眠障害の1つ

睡眠障害には、5つの種類があります。月
その中に、なかなか眠りにつけない、寝てもすぐに起きてしまうといった不眠症も含まれています。
睡眠障害には、不眠症、過眠症、概日リズム障害、睡眠呼吸障害、その他の睡眠障害があります。


睡眠障害のそれぞれの特徴

不眠症とは

夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分に眠った気がしない、などの症状が続くことを指します。
よく眠れないために日中の眠気、注意力の散漫、疲れやすいなどの様々な体調不良が起こります。

過眠症とは

夜眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ、起きているのが難しい状態のことを指します。
夜に睡眠を十分にとっている場合が多いため、不眠症の症状ではありません。

概日リズム睡眠障害とは

昼夜のサイクルと体内時計のリズムが合わない状態です。
1日の中で社会的に求められる、または自分が眠りたいときに睡眠をとることができず、日中の活動が難しくなります。

睡眠呼吸障害とは

睡眠中に異常な呼吸を示す状態の総称です。
代表的な疾患に睡眠時無呼吸症候群があり、夜間睡眠中に何度も呼吸が止まってしまいます。

その他の睡眠障害とは

  • むずむず脚症候群・・・眠ろうとすると、足にむずむず感・何とも言えない不快感・虫が這う感じなど異常な感覚があり、じっとしていられなくて眠ることができない
  • 周期性四肢運動障害・・・夜に寝ていると、手や足が勝手にぴくついて何度も目が覚めて深く眠れない症状
  • 睡眠時随伴症・・・寝ている間や、眠りにつくとき、覚醒するときにおこる様々な不快感を伴う現象の総称

夢をよく見るとこは浅い眠りと関係がありますか?

疑問
眠りが浅く、夜間に目が覚めやすい場合、夢を見ることが多いと感じることがあります。
眠りが浅い人の場合、簡単に目が覚めやすいため夢を覚えていることが多くなる可能性があります。
日中眠気を感じて困っている場合は、一度睡眠の専門医を受診することをお勧めします。

夢を見る=浅い睡眠?

夢を見るメカニズムは、まだ多くが解明されていません。
夢を見るのはレム睡眠時です。
レム睡眠の間に起こされると夢を見ていたと感じることが多いのです。
また、夢は短い記憶でしかないため、起きたときに注意してどのような夢をもいていたか思い出そうとしないと、夢を見た記憶は残らないものなのです。
夢を見ることには起きるタイミングと、夢を思い出そうとする意識が関係しているので、個人差が大きいです。
睡眠に何らかの障害があって眠りが浅い人は、簡単に目が覚めやすいため夢を覚えている可能性が高いです。
よく夢を覚えている人で、日中に眠気を感じて困っている場合には、専門医に相談しましょう。

レム睡眠とノンレム睡眠

眠りには、レム睡眠=浅い睡眠とノンレム睡眠=深い睡眠があります。
一般に、レム睡眠は身体を休ませる睡眠で、ノンレム睡眠は脳を休ませる睡眠だといわれています。
健康な人は一番のうちで、20~25%はレム睡眠だといわれています。
体も脳も両方を休養させるためには、レム睡眠とノンレム睡眠をバランスよくとることが必要です。

きちんとした睡眠時間をとらないと健康に影響するか?

疑問
不眠が続くと病気になりやすくなることがあります。
ただし、体が必要とする睡眠時間は人それぞれです。
健康な成人では6~7時間くらいの睡眠をとる人が多いようですが、あまり睡眠時間にこだわりすぎないようにしましょう。

不眠による健康への悪影響とは?

睡眠不足の状態が長く続くと、体の免疫が低下するため、病気にかかりやすくなったり、悪化しやすくなります。
また、不眠や高血圧症や糖尿病などの生活習慣病や内病など危険性を高めることになります。

睡眠時間にこだわりすぎない

睡眠時間を長くとらなくてはいけない、というのは間違いです。
体が必要とする睡眠時間は人それぞれで、年齢によって変わります。
睡眠時間を長くとらなくてはいけないと思いこみ、必要以上の長時間にわたって寝床に入っていることは考え物です。
かえって眠れなくなる場合や、実際は眠れているのに眠れていないように感じる場合もあります。
日中に倦怠感や強い眠気などがなく活発に活動できるようであれば、たとえ短い睡眠時間でも問題はありません。
あまり睡眠時間にこだわりすぎないようにしましょう。

不眠とほかの病気との関係は?

疑問
うつ病・不安障害・統合失調症などの精神疾患には、不眠の症状が現れることが多くあります。
また、アルツハイマー型認知症や脳血管障害、脳腫瘍などの障害でも、不眠の症状が現れることがあります。
その他、糖尿病や更年期障害でも不眠が関係する場合があります。

糖尿病との関係

糖尿病の患者を対象とした調査によると、患者の50%が何らかの不眠の症状を持っていることがわかっています。
原因として、合併症による口の渇き、発汗、夜間の頻尿、神経障害による痛みやしびれ、低血糖になるのではないかという不安やうつの症状ではないかと考えられます。
また、逆に不眠が原因で血糖値のコントロールができなくなることもわかっています。
不眠を解消することで糖尿病の症状が改善した例も多くあります。

更年期障害との関係

更年期障害によるホルモンの変動が原因で、不眠になることがあります。
のぼせ、ほてり、発汗、イライラなどは、更年期障害の症状としてよく知られています。情緒不安定精神不安定
また、不眠や倦怠感も現れることがあります。
ホルモンのバランスが乱れているために自律神経にも乱れが生じているためです。
不眠や倦怠感の症状がある場合には医師に相談しましょう。

日中に眠くてたまらないのは病気でしょうか?

説明
十分な睡眠をとっていても、日中に強い眠気があるなら、病気が関係している場合があります。
考えられる原因は2つです。
1つ目は、慢性的に睡眠時間が不足していたり、睡眠の質が低下している可能性です。
2つ目は、睡眠時無呼吸症候群という病気である可能性です。

心身が必要とする睡眠をとれていないのでは?

慢性的に睡眠時間が不足していたり、睡眠の質が低下していると、日中に強い眠気を生じる可能性があります。
寝つきもいいし、自分では睡眠が足りていると思っていても、心と体が必要とする睡眠をとれていないのではないでしょうか。

睡眠障害かも?

睡眠中に体が十分な休養をとれていないことによって、日中に強い眠気を生じることがあります。
睡眠時無呼吸症候群もその1種です。
中高年の男性、肥満体系の人などにしばしば見られ、大きないびきなどの特徴的な症状があります。
また、過眠症という病気かもしれません。
夜間に十分な睡眠をとっていても、昼間に耐えられないほどの眠気に襲われるという症状があります。
日常生活に支障があるようなら、専門医に相談しましょう。

睡眠薬、睡眠導入剤、安定剤の違いは?

疑問
睡眠導入剤と安定剤は睡眠薬の一種です。
睡眠薬の中でも作用する時間が短いものが一般的に睡眠導入剤といいます。
また、睡眠薬の中でも不安になることを抑える作用があるものを安定剤と呼ばれます。

睡眠薬の効果は2種類

現在よく使われる睡眠薬・睡眠導入剤は、主にベンゾジアピンという成分を含んでいるか、または、ベンゾジアピンと同じ働きをするように作られた薬です。
睡眠薬の効果には「穏やかに眠りに誘う効果」と「不安を和らげて精神を安定させる効果」の2種類があります。

穏やかに眠りに誘う効果

自然に近い状態で、穏やかに眠りに誘う効果が強いものを睡眠導入剤として主に使います。
睡眠導入剤は睡眠薬の中でも、作用する時間が短いものを言います。
主に寝つきが悪い人に使われます。
睡眠薬度同様に、夜中に目が覚めてしまう、朝早くに目が覚めてしまう、ぐっすり寝た気がしないといった不眠の症状にも効果があります。

不安を和らげて精神を安定させる効果

不安や興奮状態が原因で不眠になる状態を改善するために、主に安定剤が使われます。
不眠症の改善だけでなく、うつ病や精神疾患などの治療にも使われます。

睡眠薬を飲んでいたらふらふらになるのでは?

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質問

疑問睡眠薬を飲んでいたら呆けるのではないか心配です。

回答

睡眠薬で呆けることはありません。
睡眠薬を飲んだ後のことを思い出せないなどの症状が現れることがあり、この症状で呆けたと誤解されることがあります。

解説

睡眠薬の正しい飲み方

医師・薬剤師の指示に従って

説明
睡眠薬の服用に関しては、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
効果が得られないからと言って量を増やしたり、眠れるようになったからと言って量を減らしたり、服用を勝手に減らしてはいけません。
場合によっては、不眠の症状が悪化することもあります。

飲んだらすぐに就寝の準備を

睡眠薬服用後は少なくとも30分以内に寝るようにしましょう。
自分にとっての就寝時間に合わせて服用し、薬を飲んだ後には家事などの作業はしないで寝床につきましょう。
無理して起きていると、ふらついたりその間のことが思い出せない場合があります。
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睡眠薬の副作用とは?

内服薬

質問

副作用が怖くて睡眠薬に手を出せません。
睡眠薬の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。

回答

睡眠薬に限らず、「薬」と名のつくものには副作用があります。
しかし、最近の睡眠薬は以前のものに比べ安全性が高く、医師の指示通りに正しく服用すれば、通常副作用の心配はほとんどありません。
ただし、注意力や集中力、運動機能の低下や、ふらつき、倦怠感などの症状が現れたときには、すぐに医師、薬剤師に相談しましょう。

解説

漢方薬などのどんな薬にも副作用があります。
睡眠薬にも次のような副作用が知られています。

  • 注意力、集中力、運動機能の低下
  • 眠気
  • ふらつき
  • 頭痛
  • 倦怠感、脱力感

このような副作用とみられる症状が現れたときには、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。薬剤師に相談
症状を改善するための薬や生活習慣に対するアドバイスをもらえるかもしれません。
また、睡眠薬の中でも比較的効力が弱いものに交換してもらえるかもしれません。
睡眠薬に全面的に頼るのではなく、睡眠薬以前に生活習慣など、自分から見直すことも必要なのではないでしょうか。

睡眠薬はだんだん量が増えていくもの?

薬

質問

睡眠薬はだんだん量を増やさないと効果がなくなってしまうものなのでしょうか。

回答

現在使用されている睡眠薬は安全性が高く、癖になって量を増やさないとだんだん効かなくなるということはほとんどありません。

解説

現在と過去の睡眠薬を比較してみましょう

現在の睡眠薬

「ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」等
安全性が高く、癖になって量を増やさないだんだん効かなくなるということはほどんどありません。
医師の指示に従って計画的に量を減らすことができます。

過去の睡眠薬

「バルビツール酸系睡眠薬」等
優れた睡眠作用を有する一方、繰り返し使用することにより薬剤の効果が減退したり、止められなくなりやすかったです。
依存性が高かったといえます。

睡眠薬は依存性があるのではないか?

質問

睡眠薬は一度飲み始めると、一生止められなくなるのではないですか。疑問

回答

睡眠薬やそのほかの生活習慣の改善などで、眠れるようになれば薬を飲み続ける必要はなくなります。
ただし、眠れるようになったからと言って、自分の勝手な判断で睡眠薬の服用を突然中止すると、以前よりも不眠の症状が悪化することもあります。
睡眠薬の使用も停止も、必ず医師に相談しましょう。

解説

現在の不眠治療は睡眠薬を使った薬物療法が中心です。
睡眠薬は一度使い始めると、それなしでは眠れなくなるのではないか、次第に量が増えていくのではないか、と不安に思う人もいるかもしれません。
しかし、それは過去のことです。
かつて用いられていた睡眠薬は効果が強力な半面、副作用も強いなど安全性に問題がありました。
現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮を和らげて眠りに導くものなので、自然に近い眠りが得られます。

こんな飲み方をしてはいませんか?

アルコールと一緒に飲む

睡眠薬をお酒と一緒に飲むと、激しい脱力やふらつきが出たり、異常な行動をしたり、記憶が抜けたりすることがあります。
危険ですので、絶対に避けましょう。

途中で起きなければならない場合は、飲まない

薬を飲んで眠っているときに起こされると、その前後の記憶が抜けたりすることがあります。
原則、睡眠薬を飲んだら途中で起きないようにしましょう。

睡眠薬はどれも一緒か?

質問

睡眠薬はどれでも一緒でしょうか。内服薬
友人や家族と共有してもいいでしょうか。

回答

睡眠薬の効果はどれも一緒というわけではなく、患者一人一人の症状に合わせて適した薬が処方されています。
そのため、他人用に処方された睡眠薬を共有するのは止めたほうがいいでしょう。

解説

医師が処方した睡眠薬は、いろいろな要因を考えて処方されています。
適切な薬でないと症状が悪化する可能性があります。
ほかの人との睡眠薬のやり取りはしないでください。
不眠の症状に悩むようなら、自分の症状を医師に相談して、自分に合った薬を処方してもらいましょう。
また、睡眠薬の譲渡は法律で禁止されている行為です。

症状別の分類

  • 寝つきが悪い→超短時間型・短時間型の睡眠薬
  • 夜中に何度も目が覚める、早朝に目が覚めてその後寝付けない、熟睡した感じがない→中時間型・長時間型の睡眠薬